「さま」と「様」?ひらがなの理由・敬称の使い方の違いは?

<生活・雑学>
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新聞を読んでいて、ふと気になったことがあります。

それは「さま」と「様」の違いと使い方。

よく見ると皇族の方の敬称が必ず「さま」になっているのです。なぜ「ひらがな」で「さま」なの?普通に漢字で「様」じゃダメなの?考え出すととても気になります。

まずは皇室の方の敬称という視点から「さま」と「様」の使い方を調査しました!

そして、ビジネスやメールではどうなんでしょうか?知らずに失礼なことをしてないかどうかもみていきますね!

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「さま」と「様」の使い分け

皇居「さま」と「様」の違いに疑問を持つきっかけはとなったのは皇室の方の呼ばれ方

だったのですが、では皇族だから「さま」を使わなければいけない決まりはあるのでしょうか?

ひらがなの「さま」は皇室の正式な呼び方ではない

まずは、皇族の方の正しい呼び方をまとめますね。

これにはやはり決まりがあります。

皇族の正式な呼び方は、「陛下」「殿下」を使用します。天皇陛下、皇后陛下、天皇皇后両陛下、皇太子殿下、皇太子妃殿下などですね。

テレビなんかでも「さま」で呼ばれていることが多いですが、実は正式名称ではないのです。

ちなみに、法律でいうとこちらです。↓

皇室典範第4章第23条

1 天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。

2 前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。

法律でも皇族の呼び方については書かれているほど。ではなぜ法律で決まっているのに、皇室の方には正式名称と違う「さま」が使われるようになったのでしょうか?

皇室が「さま」になった経緯と理由

ではなぜ「陛下」や「殿下」ではなく「さま」になったのでしょうか?

理由はマスコミが関係しています。

法律で決められた正式名称はあるものの、これでは固い印象が強い。皇室の話題も扱うマスコミとしては耳障りでない表現を用いたかったのです。

そこで昭和22年、報道と宮内庁の間で「最上級の敬語を、普通の言葉の範囲内で」という基本合意がなされました。

それから昭和27年4月14日には文化庁国語審議会が行われ、「これからの敬語」という敬語の使い方についての建議が示されました。

この内容が「敬語」の基本方針となり、1989年ごろ

  • 「親しみやすい敬称」
  • 「開かれた皇室」

をイメージして報道機関が報道に関しての敬称にはひらがなを使い、柔らかな表現を使おうと自主的に判断したのです。

1989年といえばまだ私は子ども。意識をしていた訳ではありませんが、今まで漢字の「様」を使った表現を見た記憶がないのはずですね。もう30年も前からひらがなの「さま」なのです。

法の下ではみんな平等という考えですから、皇族に「さま」をつけるというより、ひらがなの「さま」をつける特定の人物というと皇族の方だ、という風に考えておけば良さそうです。

ニュースや新聞でみた皇族の「さま」について、ひらがなである理由はこれでわかりました。ではどんな時に感じの「様」を使うのか?

次は「さま」と「様」の違いについて見ていきますね。

「さま」と「様」の違い

さて、さらに話題を広げて「様」に関して疑問を解きたいと思います!

皇室の方の敬称はひらがなの「さま」を使うということをお伝えしてきましたが、漢字の「様」を使うときはどんな時なのか?そして「さん」や「ちゃん」は?という疑問も湧いてきますよね。

その答えが書かれているのは、報道の世界では有名?な「記者ハンドブック」なる存在です。

そこにはこう書かれているんです。

  • 「様」は一般敬称で、報道では「氏、さん、君、ちゃん」を使う。
  • 「様」と使う場合は観音様、王様、神様、殿様、仏様などの場合。
  • 「さま」は皇太子さま、お客さま、奥さま、皆さま

ここにも皇室の呼び方も記載されていて、「さま」を使うようになっています。

「お客さま」や「皆さま」もひらがなの「さま」なんですね。

なんと漢字の様を使うのは、仏様とか神様の部類なんです!これは正直ちょっと驚きました!

一般の方は「さん」「ちゃん」など馴染みのある敬称を使うのですね。

「さま」と「様」の使われ方の違いは、報道の世界ではきちんと決められていました。

この記者ハンドブックは一般に売られているので、誰でも購入できるものですので興味があれば見てみると面白いと思います。

内容は言葉の使い方、書き方、間違いやすい会社名、間違いやすい言葉など、私たちも勉強したい内容になっていますよ。

レビューにも記者や編集者だけが使うのはもったいないとあります!ビジネスにも使える内容満載です。

さて、ここまでは報道や皇室の方という視点で「さま」と「様」の使われ方の違いを見てきたのですが、次はビジネスなど普段の私たちに関係する「様」の使い方について触れます。

ビジネス文書・お手紙での「様」の使い方

ここまでは皇族の呼び方はどうなのか?という視点で見てきましたが、実際の文書や手紙ではどうでしょうか?

「様」という漢字にはもともと様子を表す意味があります。ありさま、〜するさま、生きざま、などの使い方がそうですね。

そしてひらがなで表す「さま」には「あなた(さま)」という意味がありました。

「様」と「さま」が同じ読み方だったことから、人の後につける「さま」にも「様」の漢字が使われることが一般的になりました。

しかし「様」という漢字に敬意を表す意味は含まれていません。

「様」はもともとあなたという意味を持つひらがなの「さま」に当てはめられた使い方だったのです。

そういう点でも皇族について「様」ではなく「さま」を使うのですね。

ではビジネス文書でも「さま」を使う方が良いのかということになりますが、これがちょっと違うんです。

上記の理由から本来は「さま」を使う方がいいのでしょうが、一般的なビジネス文書や手紙の宛名には「様」を使う場合が圧倒的に多いです。

実際には「さま」を使うとなぜ漢字じゃないの?と違和感を感じる方がいます。

しかし最近では

  • 柔らかい表現
  • 親近感

をだすため、だんだんと「さま」を使うことが増えている事も事実。

ビジネス文書でどちらを使うか、という部分についてはいろいろな議論がありますが、現在は「様」が主流で、「さま」はこれから増えていくかどうか?と覚えておくといいですね。

編集後記

テレビやネット記事などを見ない日はない、という方も多いのではないでしょうか?

ふとひらがなの「さま」と漢字の「様」の違いに気がついてしまうとどんどん気になってきますよね。

様って普段でもよく使う言葉です。なので違いがわかった上で日々「様」を使いたいですね。

これからは意識してニュースを見たり、「様」を使ってみてくださいね!

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