お盆に家族でキャンプに行って、夜になったらレインコートまで着込んで過ごした、なんて経験はないですか。
正直に言うと、私がそれです。笑
夏キャンプの夜は、思っているより寒い。これは標高の高いキャンプ場に4年通って、毎年試行錯誤しながら身をもって学んだことです。失敗した年もあったし、「今年はバッチリやった!」と思えた年もありました。その試行錯誤がまた面白くて、涼しさを求めて毎年同じ場所に家族で行き続けました。
この記事では、そのキャンプで経験した夜の寒さの失敗談と、4年かけて完成した「夏でも夜に寒くならない」準備の話を書きます。
夏キャンプの夜の寒さを舐めていた、最初の年
家族キャンプを始めてすぐのお盆、「せっかくなら涼しい場所で過ごしたい」と思って選んだのが、標高1600mのキャンプ場でした。
お盆の関西はとにかく暑い。平地では寝苦しいし、子どもたちも夏休みで元気いっぱい。それなら涼しい高原でのんびり過ごそう、という流れで。
でも、夫も私も「涼しい標高1600mといっても真夏やし・・」と思っていて、持っていく服や寝具はそこそこの装備にしかしていませんでした。
さすがに昼は暑かったんですが、途中から雨が降り始めた日があったりして、なかなか止まない。山の天気だから仕方ない。
問題はその夜でした。
雨が続くにつれてどんどん気温が下がって、夜の焚き火の時間になっても薄手のジャンパーだけでは足りない。「あれ、ちょっと待って・・」となりながら、結局その日はレインコートまで羽織って夜を過ごしました。
子どもたちも「寒い寒い」と言っていましたが、実は一番寒かったのは私です(笑)。子どもって動き回るから案外平気なんですよね。大人のほうがじっとしてる分、じわじわ冷えてくる。
寝るときは寝袋を持っていたので何とかなったんですが、夜中に星空を見上げたくても、もっと上着持ってきたらよかったな、って。ま、そもそも雨続きでそれも叶わない日も多いキャンプだったんですがなんとも締まらない初年度になりました。
「夏なのに寒い」がこんなにリアルやとは思ってなかった、というのが正直なところです。
なぜ夏キャンプの夜はこんなに寒くなるのか?
経験から学んだことですが、これは別に珍しいことじゃなくて、山の法則みたいなもので。
標高が100m上がるごとに、気温は約0.6度ずつ下がっていきます。標高1000mで約6度、1600mになると市街地より約10度低い計算になります。
さらに夜になると「放射冷却現象」が起きます。昼間に太陽に温められた地面の熱が、夜になると宇宙に向かって逃げていく現象です。日が沈んだあとも地面はどんどん冷えていくので、テントの外に出るとひんやりする、というのはこれが原因。
大阪のお盆が35度でも、標高1600mの夜は20度を下回ることがあります。昼と夜の温度差が10度以上になることも普通にある。
これを知っていれば準備が変わるんですが、最初の年の私たちは全然わかっていなかったわけです(笑)。
2年目・3年目・4年目で変わったこと
面白いのが、失敗した翌年にちゃんとリベンジしに行けること。
毎年同じキャンプ場に行くから、「去年はレインコートで乗り切ったな。今年は何を足そうか」という話が夫婦でできる。この試行錯誤が楽しくて、気づけば4年連続で同じ場所に行っていました。「お盆といえばそこ」になっていたんです。
2年目からはキャンプそのものにも慣れてきていたので、改善のスピードも速かった。毎年「今年の収穫」と「来年への課題」が出てきて、なんか夏の恒例行事みたいになっていきました。去年の失敗と今年の改善を焚き火の前で夫婦で話すのが、なんかいい時間でした。
そのなかで特に「これを持っていったら正解やった」と思えるものを紹介します。
パタゴニアのダウンセーター、これが一番の正解
「夏にダウンなんか要る?」と思うかもしれませんが、標高の高いキャンプ場の夜には本当に重宝します。
私が使っているのはパタゴニアのダウンセーター。薄手なのにしっかり暖かくて、コンパクトに畳めるので荷物になりません。昼間はほぼ出番がないんですが、夕方になって焚き火を始めるころに「あ、そろそろ出す時間やな」という感じで羽織れる。
子ども達の分はさすがに揃えていなかったので、大人だけですが。子どもは動き回って勝手に暖まるので、まあいっかと(笑)。
最初の年にレインコートを着込んで過ごした夜を思い返すと、あのときダウンがあったらどれだけ快適だったか。星空を見上げながらホットコーヒーを飲む、というシーンを実現させてくれたのはこれでした。
コンパクトに畳めるタイプであれば他のブランドでも十分です。ポイントは「薄くて小さくなる」こと。それさえ押さえれば、荷物が増える感覚なく持っていけます。
封筒型の寝袋は、複数枚持っていく
封筒型の寝袋の良いところは、広げると掛け布団になること。
うちは夏用の薄めの寝袋を何枚か持っていって、寝るときに複数枚で対応していました。一枚だと寒いと感じても、もう一枚かぶせれば調整できる。子どもたちも個別に入れるので、人数分あるのが理想です。
ちなみに寝袋は、雨の夜でも役に立ちました。初年度に助かったのはここだけ。
スクリーンタープは夜の必需品
昼間は日差し・虫よけとして大活躍で、夜になったらフルクローズにして風と寒さをシャットアウトできる。夕立が多い夏の山では、突然の雨にも対応できるのもいい。最近はバッテリー式の扇風機も普及しているので、日中は中に置いて使うこともできます。
キャンプ初年度にはなかったんですが、2年目から導入して「なんでもっと早く買わなかったんや」となった一品です。
ウインドブレーカーは常にカバンに
ダウンとスクリーンタープがあれば大体は大丈夫ですが、昼間の服装から切り替えるタイミングの「中間」として、ウインドブレーカーは常に持ち歩いていました。
薄手で重ね着しやすいので、夕方の温度が下がってきたときにとりあえず羽織れる。雨への対応もできるものだとなお良し。これは子どもたちにも人数分用意しておくと、急な気温変化にすぐ対応できます。
夏キャンプ、夜の着こなしの段取り
具体的にうちがどう動いていたかというと、こんな感じです。
昼間は暑いので、通気性のいいTシャツ・薄手のズボンが基本。虫が多いので半袖より長袖の方が安心ですが、素材で涼しさを調整。長袖長ズボンが正直、一番安全です。草の中に虫はいるので足元も必ず長ズボンで。
夕方、焚き火の時間くらいからがポイント。気温がじわじわ下がってくる。このタイミングでウインドブレーカーかダウンをどちらか羽織っておく。「まだ大丈夫かな」と思ってから出すのでは遅くて、体が冷えてからだと温めるのに時間がかかる。
夜中、特に雨の夜はかなり冷えます。ダウン+ウインドブレーカーの重ね着、さらにブランケットを体に巻いても十分です。ブランケットは常に車に数枚置いておいていたので、必要なときにさっと取り出せて助かりました。ポンチョ代わりに体に巻いたり、肩にかけたりと使い方もいろいろ。
寝るときは寝袋に入れば、寒くて眠れないということは基本的にないです。ただ夏だから大丈夫、という過信だけは禁物。
夜が寒くても、それが山のキャンプの楽しみ
4年通って一番「良かったな」と思うのは、夏なのに焚き火を囲んでホットコーヒーを飲む時間です。
「夏キャンプなのに焚き火が気持ちいい」という、なんかすごく贅沢な感覚。寒いから火が嬉しいし、温かい飲み物がちゃんと美味しい。お湯を沸かしてコーヒーやホットミルクやホットはちみつレモンを飲みながら、焚き火をぼーっと見ている夜は、本当に心地よかったです。
去年の失敗と今年の改善を夫婦でしゃべりながら飲むコーヒー、なんか一番おいしかったかもしれません。
そして4年通って完成した「夏キャンプの夜の対策」は、その後に始めた北海道キャンプでも大いに役立ちました。北海道の夏の夜も冷えるので、同じ考え方がそのまま使えたんです。「ああ、あのお盆キャンプで鍛えられたな」と思いながら。
まとめ
- 夏キャンプの夜は想像より寒い。標高が高いほど気温は下がり、夜の放射冷却もあって「昼は暑いのに夜は寒い」がリアルに起きる
- 薄手ダウン・封筒型寝袋・ウインドブレーカーの3つを揃えれば、夏の夜の寒さはかなり快適に乗り越えられる
- 失敗した次の年に同じ場所に行けるのがキャンプの面白いところ。試行錯誤が積み重なって、自分たちなりの「正解」ができていく
最初の年にレインコートで過ごした夜、今では笑える思い出です。あの経験があったから、今の準備がある、というのはちょっと誇らしい気もします。よかったら参考にしてみてくださいね。


