「おつきみどろぼう」というイベントを知っていますか?
地域柄か、私自身が子供の頃は聞いたことがなく、自分の子どもが生まれてから知りました。
子供が楽しめるイベントなので、9月の行事としてや、十五夜のお月見の日に楽しい時間が過ごせるよう、ぜひ参考にしてくださいね。
「おつきみどろぼう」とは?誕生の歴史
おつきみどろぼう
とは、戦前ごろから始まったとされているお月見の日の行事です。
千葉県や、愛知県・三重県・奈良県・茨城県・福島県・大分県などの農村部地域でよく行われていた行事で、子供が主役のイベントです。
お月見の日(十五夜・中秋の名月)には、お団子などお供え物をするのがならわしですが、そのお供え物をなんと子供達は盗んでも良いのです。
ただし、お月見の日限定です。盗んでも良い理由は、子供たちは月の使者と考えられていたからです。
歴史を辿ると、昔は縁側や庭にお供えされていたお月見団子を子どもが長い棒を使って盗んで食べていたことから始まっています。
「月の使者であると考えられていた子どもが盗んで食べる」ことは、「お月様が食べた」と捉え、たくさん盗んでもらうことは豊作になると考えられていました。十五夜はもともと五穀豊穣(農作物が豊かに実る)を願う行事なので、縁起が良いとされていたのです。
近年では残念ながら地域の話し合いでおつきみどろぼうの行事がなくなった場所も多くあるようですが、子供達にとってはとても興味のあるイベント。
近所の仲間や地域のイベント等で手作りでやってみるのも楽しいと思います。
おつきみどろぼうはいつやる?
お月見の日(十五夜・中秋の名月)は年によって変わります。おつきみどろぼうは十五夜にするので下記の十五夜の日にちをチェック!
- 2024年9月17日
- 2025年10月6日
- 2026年9月25日
お月見どろぼうのやり方
「おつきみどろぼう」は10月の「ハロウィン」に似たイベントになっています。
時期的にハロウィンが近いので、10月のイベントとかぶってしまう部分があるかもしれませんが、「お月見」を題材として行うことで、ハロウィンとの違いを演出しましょう。
子供達が日本の行事に興味を持つきっかけにもなるのでおすすめです。
おつきみどろぼうの準備
子供達
スーパーの袋など、お菓子を入れる袋を用意します。
暗くなってきますので、懐中電灯があると安心です。事故を防ぐために服も目立つ色を着ておきましょう。
大人(家の人)
お菓子の用意をしておきます!
お月見を題材とするので、できればお月見のお供物の定番であるお月見団子や簡単なお菓子がおすすめ。
用意したお菓子をカゴやダンボールなどに入れて、家の玄関や軒先など取りやすい位置にセットしておきましょう。
その際、周りをデコレーションするなどすればより気分が上がります。
おつきみどろぼうの回り方を決める
安全を確保するため、参加する子供達の家をどの順番に回るかを事前に相談して決めておきましょう。地図を作ってみたり、チェックポイントを作ったりするとより楽しめると思います。
事故などが起こってはいけないのでコースを子供達にしっかり伝えておきます。
チェックポイントで親にスタンプをもらうなどすれば、楽しみながら安全も確認しながらできますね。
あとは当日、お月さまが出るのを祈るだけです!
ルールを決めて伝える
上記のコースを守ることに加えて、ほかにも場面に応じてルールを決めておくことで安心・安全におつきみどろぼうを楽しむことができます。
- お菓子をいくつとっても良いか
- お菓子をもらう順番
- 道路を通行する時の守りごと
- 子ども達同士でケンカなど揉め事が起こったらどうするか
- もしもの時はどんな時か?の例をいくつか伝えておく
- もしもの時の連絡方法
必要と思うことを伝え、子ども達だけでやってみるというのも一つの経験になりますね。
おつきみどろぼうやってみよう
夕方、日が暮れた頃。懐中電灯をもった子供たちが家を回ります。
お菓子をみつけたら「どろぼうさん」になります!ただし、きちんと挨拶ができる泥棒さん。きちんと声をかけます。お月見どろぼうのかけ声はこれ!
「お月見くださいーー!」
「お月見どろぼうでーす」
どろぼうなのに、かけ声をしてしまうなんてバレバレですね(笑)そして、ひとり一つ、お菓子をもらいます。(盗みます)
泥棒だけど、きちんと「ありがとう」と言って次のおうちへ。袋にはたくさんのお菓子。子供たちはすごく喜ぶと思います。
本当に日本版のハロウィンです。
おつきみどろぼうをする際に気をつけたいこと
事故に気をつけよう!
夕暮れ時は事故が多い時間帯です。自転車や歩行者はもちろん、自動車も多く通る時間帯です。
子供達だけで歩く場面もあると思いますので、くれぐれも気をつけてお家をまわること!
そのためにもルート決めや道路に広がらないように伝えておくなどの事前の準備がとても大切になります。
トラブル
昔から残る伝統的な行事ではあるのですが、どうしても残念なことが起こるという事例も・・
お菓子を自由にとってもらおうと、「ひとり1つ」と注意書きをしたり、あらかじめルールで決めておいても、お菓子を入れた箱からたくさん取っていってしまったり、欲しいものがなくて文句をいったりして揉めたりすることがあります。
みんなで楽しむ行事なので、約束事を守って参加したいですね。
子どもの年齢に応じて親も参加する
子供が小さい場合は無理せず大人がついて回りましょう。
絵本もありました!
イベントをするとき、イベントができないとき、こんな絵本もあります。読み聞かせにぴったり!
お月見の時期に読んでみてくださいね。
編集後記
「おつきみどろぼう」はハロウィンと似た行事ですが、歴史など違いを考えるのもまた楽しいですね。
もしかしたら子供の頃にはお月見どろぼうをしてたけど、今は残っていないという地域もあるかと思います。
季節に応じた行事は、心に残るもので伝えていきたいもの。十五夜にはちょっと夜更かしして可愛いどろぼうに変身して楽しめると思い出に残りますよ♪